「お客様の声を集めましょう。」
営業の仕事をしている人なら、必ず聞いたことがある言葉ですよね。
商談相手に「お客様の声」を見せることによって、たしかに成約率はアップします。
でも、なかなか集まらないという声をよく聞きます。
「お客様の声」が集まらない一番の原因。
あなたはご存知ですか?
「お客様の声」が集まらない一番の原因とは?
それは、そもそも集めていないからです。
この場合の解決方法は簡単。
集めることです。
インタビューや動画という方法もありますが、もっとも一般的なのは用紙に記入してもらう方法です。
「いやいや、集めようとしたんだけど、なかなか集まらないんでやめてしまったんだ。」
という方もいますよね。
「集めようと思ってお客さんに用紙を渡したものの、ほとんど返信がない。」
というのは実際よくあることです。
というよりも、それこそが現実です。
何ごとも、軌道に乗るまでには苦労があります。
当然、時間もかかります。
でも、だからと言って、なんの工夫もしないで同じことをただ繰り返していては、成果もあがりませんよね。
では、どのようにすればよいのでしょうか。
「お客様の声」を書いてもらうために必要なものとは?
小学生のころの夏休みの宿題に、読書感想文ってありましたよね。
あなたは、すらすら書けましたか?
私は、すごく苦手でした。
本を読むのはきらいではないんです。
むしろ大好きです。
読書感想文の指定図書も、読んでいておもしろかったものはもちろんあります。
でも、いざ感想を書けと言われると、なかなか書けません。
まず、何から書き出せばよいのかわからない。
そもそも感想文って、何を書いたらよいのかがわからなかったんです。
でも、今なら書けるような気がします。
なぜなら、インターネットで調べると、感想文の事例が出てくるからです。
別に、出てきた事例をコピーしようというわけではありません。
ここで言いたいことは、見本があれば書きやすくなるということです。
別に、細かい構成を分析するわけではありません。
読書感想文がどういうものかというイメージがわくだけで違ってきます。
「あぁ。こんな感じね。」
とわかるだけでも、まったくの白紙状態だったときにくらべれば、格段に書ける気がしてきます。
「お客様の声」も同じです。
「お客様の声」を書いた経験がある人は、どれだけいるでしょうか。
おそらく、ほとんどいないでしょう。
そもそもみんな、どう書いたらよいのか、わからないのです。
「きちんと書かないとまずいんだろうな。」
「ひとことだけでは少ないよな。」
「こんなこと書いてしまっていいんだろうか。」
お客様の頭には、こんな思いが浮かんでいます。
書こうと思ってくれていても、筆は進みません。
そこで、見本をつけてあげるわけです。
どんなことを書けばよいのか、イメージを持たせてあげる。
そうすることによって、書いてもらいやすくなります。
「お客様の声」の見本はどのように用意すればよい?
それでは、「お客様の声」の見本とはなんでしょうか。
それは、「ほかのお客様の声」です。
それまでに集めた「お客様の声」からいくつか選んで、「お客様の声」の見本集を作ります。
そして、新しくお願いする人に、記入用紙と一緒に渡せばよいのです。
定期的にニュースレターを発行しているようなら、その中に「お客様の声」のコーナーを作れば簡単ですね。
ただし、始めたばかりのころは、見本自体がありません。
その場合は、項目を設定すると書いてもらいやすくなります。
読書感想文は、白紙の原稿用紙に自由に書いてくださいという形式ですよね。
でもこれが、
「主人公の性格は、どう思いましたか?」
「主人公の、この行動はどう思いましたか?」
「一番、印象に残った場面はどこですか?」
といったように、細かく質問されたらどうでしょう。
自由に感想を書きなさいと言われた場合に比べて、格段に書きやすいと思いませんか?
「お客様の声」を集めるときも、質問形式にすることによって、お客様は書きやすくなります。
ただし、ひとつ忘れてはいけないことがあります。
それは、質問への回答だけではなく、自由に記入してもらう欄も作っておくことです。
実際には、この欄には何も書いてくれないお客様が多いです。
しかし、書いてくれていれば、その感想はバラエティに富んだ内容が書かれてきます。
お客様の人がらが出た内容が書かれていることも多いです。
商談のときに見込み客の目を一番ひくのも、この自由記入欄です。
「お客様の声」を集め続けると・・・
めげずに「お客様の声」を集め続けていると、何が起こるでしょうか。
集まる数が増えるにつれて、感想の中に変化に富んだものが出てきます。
それまでとは違った感想が出てくるのです。
最初のころは、まじめな感想が多いはずです。
しかしそのうち、いろいろな書き方のものが混じってきます。
イラストが入っていたり、友達のように親しい言葉づかいで書かれていたり、お子さんからもひとこと書いてあったり。
もちろんこういった変化に富んだ感想は、ごくごく少数です。
でも、こういった今までとは違う感想を、優先的に「お客様の声」の見本集に加えていきます。
「お客様の声」の見本集を、バラエティ豊かなものに変えていくわけです。
そうすると、それを見たお客様は、
「へぇ。こんな感じでもいいんだ。」
「別にかた苦しく考えなくていいんだ。」
「たくさん書かなくてもいいんだ。」
と思ってもらえるので、どんどんとハードルが下がっていきます。
「お客様の声」は、集まれば集まるほど、さらに集まりやすくなるというわけです。
最初の生みの苦しみはありますが、質問や見本を活用してぜひ継続してください。
そうすればあなたも、「あなたのお客様の声」という、ライバルにはない強力な武器を手に入れることができます。