お客さんに「ほしい」と思ってもらうには、「その商品を使うことで、お客さんにどんなよいことがあるのか」をハッキリと伝えなければいけません。
この「どんなよいことがあるのか」を、マーケティング用語で“ベネフィット”と言います。
つまり、お客さんに買ってもらうには、ベネフィットを伝えることが不可欠ということです。
セールストークが苦手でも、ベネフィットを伝えるだけで、お客さんの興味の持ち方は大きく変わってきます。
しかし、多くの場合、これができていません。
多くの人は、商品の機能や性能、サービスの内容のよさを伝えようと頑張っています。
そういった商品の特徴ではなく、ベネフィットに目を向けることが大切なんです。
ただ、ベネフィットは、自分にとってのことではなく、お客さんにとってのこと。
他人にとってのことなので、なかなか思いつきにくいという面もあります。
そこで、この記事では、3ステップで楽にベネフィットを見つける方法を紹介します。
ベネフィットを見つけるためのコツ
ベネフィットを見つけるコツ。
それは、思いつきやすいところからスタートすることです。
思いつきやすいところからはじめて、段階をふんでベネフィットを見つけます。
思いつきやすいところとは、“商品の特徴”です。
特徴とは、機能や仕様、手法などのことです。
自分の商品のことですから、自分でよくわかっていますよね。
“商品の特徴”を考えることをステップ1として、3ステップでベネフィットに変換する方法が見つけやすい方法です。
ベネフィットを見つける3ステップ
それでは、3つのステップを順番に説明します。
【ステップ1】特徴をリストアップする
・カメラやパソコンのような有形の商品であれば、機能や仕様、外観などに着目します。
・治療やエステのような無形の商品であれば、手法、場所(環境)などに着目します。
【ステップ2】特徴の利点を考える
・ステップ1でリストアップした特徴について、利点を考えます。
・具体的には、「その特徴が、なんのためにあるのか」、「その特徴があると、どうなるのか」を考えます。
【ステップ3】利点に対してベネフィットを考える
・ステップ2の利点があることによって、商品を使う人に、どんなよいことがあるかを考えます。
・ポイントは、ベネフィットは人によって違ってくるということです。同じ商品でも、人によって買う理由や、使う目的は違ってきます。たとえば、カメラの場合、私生活で使う人もいれば、仕事で使う人もいます。何に使うかによって、ベネフィットは変わってきます。ひとつの商品に対して、ベネフィットがひとつとは限りません。むしろ、複数あるのが普通です。
ちょっと漠然としていると思いますので、例をあげて説明してみます。
ベネフィットと商品説明の例
ここでは、「超望遠ズーム機能付きカメラ」を例に、ベネフィットと商品説明を考えてみます。
まず“特徴”からはじめて“利点”に、そして“利点”から“ベネフィット”に変換します。
(1)特徴・利点・ベネフィット
①特徴
「80倍ズーム機能付き」
②利点
「離れた距離からでも、大きくきれいに撮れる。」
③ベネフィット
前に説明したとおり、ベネフィットは対象となる人によって違ってきます。
そこで、対象となる人を想定してベネフィットを考えます。
たとえば、“野鳥の撮影が趣味の人”であれば、次のようになります。
「鳥に近づきすぎて、写す前に逃げられることがなくなる。」
では、ベネフィットを思いついたところで、商品説明を考えてみます。
(実際には、ほかにもたくさんの特徴や利点があるはずです。また、ひとつの利点についても、対象となる人の想定を変えれば、ほかのベネフィットも考えられます。実際に行うときには、できるだけたくさんの特徴、利点、ベネフィットを考えてください。)
(2)商品説明の例
実際の商品の説明としては、次のようにできます。
『鳥を見つけても、近づきすぎて逃げられてばかり。』 『はなれて写した鳥は、さびしい大きさでしか写っていない・・・』 こんなガッカリな思いをくり返すことは、もうありません。 80倍ズームで、離れた距離からでも大きく鮮明に写すことができます。 これなら、写真仲間にも自信をもって見せられます。 |
これに対して、特徴と利点だけだと、こんな感じです。
80倍ズーム機能付きなので、離れた距離でも大きく鮮明に撮れます。 |
前者の方が、超望遠ズーム機能付きカメラを使う人にとってどんなよいことがあるのかが、はっきりと伝わりますよね。
もちろん、この商品説明は、鳥の撮影に興味がない人が見ても「ほしい」とは思えません。
ですので、ベネフィットは対象にする人ごとに考えておく必要があります。
そして、相手に合わせて伝えるということを覚えておいてください。
まとめ
見込み客に商品を「ほしい」と思ってもらうには、ベネフィットを伝えることが必要です。
しかし、ベネフィットは他人にとってのことであるため、なかなか思いつきにくいものです。
そこで、思いつきやすい“商品の特徴”からスタートして、段階的に変換していくと見つけやすくなります。
ベネフィットを見つける手順は、
ステップ1:商品の“特徴”をリストアップする
ステップ2:特徴から“利点”を考える
ステップ3:利点から“ベネフィット”を考える
の3ステップです。
ベネフィットは、対象とする人によって違ってきます。
そのため、ベネフィットを考えていると、当然いくつも見つかることになります。
そこで、ベネフィットを伝える時には、相手に合ったものを選んで伝えるようにしましょう。
それによって、「これは自分にピッタリの商品だ」「ほしいな」と思ってもらえるようになります。